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次の日
美紀恵さんに教えてもらった住所をもとに沙織の家へ向かった
昨日呑みすぎたせいで少し頭が痛いけどそんなのどうでもいい
沙織の家は少し小さなマンション
部屋の番号は知ってるけど押しかけるのはおかしいな
家まで来てるって言うのもおかしな話だけど…
まぁ、外で気長に待つことにしよう
今日は仕事休みらしいからいつ出てくるかわからないし
「…え」
後ろから声がしたから振り返ると沙織がいた
思ったより早かった…
「沙織ちゃんに会いたくて来ちゃった」
「なんで私の家知ってるんですか!?」
「美紀恵さんに教えてもらったから。それよりさ、俺とのこと考えてくれた?」
「冗談やめてください」
涙目になりながら俺と話す沙織はかわいい
「店に来てなんて言わない。俺から会いに行く。沙織ちゃんの笑顔がみたいから」
「っ…」
「試しに、どっか出かけよっか」
笑いかけると沙織も小さく笑った
「あなた、私の飼ってた犬に似てる」
「わんっ!散歩に連れてって」
沙織の手を引いて歩きはじめた
「え!?」
時間がかかったって構わない
一度欲しいって思ったら諦めないから
きっと好きにさせてみせる
いろんな手段をつかってね
それがホストの意地ってやつ
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