He's diary

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9月10日 私は村田警部とあるビルに来ていた 「刑事になって初めての仕事がこれなんて最悪だな。トラウマになるぞ」 村田警部は白い手袋をしながら笑った 「どうしてですか?」 「飛び降りた死体は形が崩れてる。時任刑事には少々刺激が強いかもな」 「大丈夫ですよ」 私も手袋をして布に覆われている亡くなった人の前に立った 警察官が私達に近づいてきた 「害者の名前は瀬川涼平。29歳」 聞いたことのある名前… でも絶対彼じゃない きっと同姓同名だ 村田警部はしゃがんで布に手をかけた 「なに考え事してんだよ。大丈夫か」 「…大丈夫です」 「じゃ、気引き締めろ」 ゆっくりと布があげられた 「っ!」 一瞬にして頭が真っ白になった …そんなはずない …そんなはずないのに 違うって信じたかったのに 私は立っていられなくなった 「どうした、時任?顔が真っ青だぞ」 警部がしゃがんでいる私の背中を擦ってくれた その瞬間涙が次から次へと流れ出した 「…私の、恋人です」
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