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大人に近づくに連れて許嫁というものの意味が分かった
この家に産まれた私の定め
これもおとうさんやおかあさんのため
そう思えばそんなに思い詰める事でもなかった
「美奈さん」
考え事をしていたら隼人さんが私の前に立っていた
「はい」
「今日は仕事で遅くなるので先に寝ていて下さい」
優しい笑みを浮かべた隼人さんに私も微笑みかえした
「わかりました」
そのあと特に会話をすることもなく隼人さんは私の前からいなくなってしまう
隼人さんが仕事に行くのを確認すると私は小さくため息をついた
私が16歳になると同時に私達は結婚した
高校に行かせてもらえなかった私は家で先生を呼んで教えてもらっているようなかんじだ
私がため息をついた理由はなんとなくこの生活に不満があるから
別に隼人さんが嫌いなわけじゃない
どっちかっていうと好き
小さいころから一緒にいたし優しくてかっこいい隼人さんは私の初恋の人
不満の理由は隼人さんが全然私を相手にしてくれないから
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