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まともに触ってもらったことなんて無い
手を繋いだ回数だって片手で数えられそうなくらい
それ以上のことはしたことはあったっけ
隼人さんは私のこと嫌いなのかな
なんだか最近ずっとそればっかり考えてる気がする
そりゃまだ16歳の私は27歳の隼人さんからみればただの子どもに見えるのかもしれないけど、私は不安でしょうがない
そんなある日
風邪をひいた
もとから体は強い方じゃないけどここまで酷い風邪は初めてだった
今日はのんびり部屋で寝よう
ベッドで横になって居ると部屋のドアがノックされた
返事するような気力はなくて黙っていると扉が開かれ誰かが入ってきた
お手伝いさんだろうな、と思って気にせず寝ようと思ったが誰かがベッドに座ったのが分かった
なんだろう、と思っていると
「…美奈さん」
いつもよりも優しく感じる隼人さんの声が聞こえてきた
思ってもいなかった人物にびっくりしてしまう
だってお仕事に行ったはずなのに…
軽く目を開けたけど隼人さんは気づいてないみたい
優しく頭を撫でてくれている
その顔はいつになく優しく、どこか悲しげだ
こうしてくれるってことは私のこと嫌いじゃないのかな
「…隼人さん」
声をかけると隼人さんはビクッとなって手を引っ込めた
その動作は私の心に突き刺さった
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