0人が本棚に入れています
本棚に追加
「えーと、俺に何か?」
先程の苛立ちが残っているせいか、冷たく言い捨てるように言葉を吐く
しかし彼女達はまるで気にせず、そのまま話しかける
「浩人君って昔、あの“反乱“を一人でずっと続けてたんでしょ?」
……反乱
それは今から六年前、今の内閣総理が提案した“身分階級法“で起こった事件だ
身分階級法とは、その名の通り自分達に階級がつく事であり、階級が上の相手には敬意などを払うことである
……“表“ではそうだった
裏では人を奴隷にし、それに逆らえば国から直々に処分が下る
間違っていると思った俺は人を呼び集め、国に反乱を起こした
反乱といっても、旗に“身分階級法反対!“などを書いた程度だ
だが反乱は続くことはなく、一ヶ月も掛からず反乱は終わった
当時の俺は何を考えていたのか、一人になってでも反乱を続けていた
それが、最悪の事態を招く選択だったというのは、当時の俺は予想もしなかっただろう
「なんで急に反乱をやめたの?皆がやめたから?」
「私も聞きたい!どうしてやめたの?」
そのとき一瞬、一瞬だけだが浩人は拳に力が入った
まるで怒りを堪えるかのように、強く握った
「……ごめん、急いでるから」
鞄を手に持ち、強引に相手を退かし教室を立ち去る
こみ上げてくる怒りが胸に残り、後ろから聞こえてくる呼び声にも反応せず、不愉快な気分を残したまま学校を後にした
最初のコメントを投稿しよう!