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教室で話をしていたせいか、浩人の通る帰り道は人が少なかった
そして浩人は一人寂しく帰り道を歩いていく中、二人の男女を見つけた
ビジネスマンなのか、一人の男性は腕時計を何回も確認しながら歩いている
対する片方の女性は、重たそうに両手で荷物を持っており、顔に疲れがでているにも関わらず、懸命に男性に付いて行く
……自分もいつかは、あの二人ようになるのだろう
協力など存在せず、目上の相手に黙って従い、それを繰り返す
昔は間違っていると感じていたが、今となってはそんな物は無くなったのか、ただ流されるように人生を送っている
「反乱……か」
その場に立ち止まり、一人寂しく呟く
ふと目の前を見ると、今はもう必要のなくなった無人の港があった
“関係者以外立ち入り禁止“と書かれてあったテープは、もうボロボロになっており元の形を保ってはいない
好奇心が働いたのか、浩人はその港に足を踏み入れた
気持ちを落ち着かせるためには、十分な場所だろう
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