9.誕生日と卒業

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周りの先生にバレないように極力こっそり渡したつもりだったが、先生が普通の声で話すものだから結局他の先生の注目を浴びてしまった。 その注目に耐えられず、慌てて塾の外に飛び出す。 は、恥ずかしすぎた……!! 心臓のバクバクが半端ない。 でも、先生、心から嬉しそうに笑ってくれたな。 笑顔、かっこよかったな。 あまりにかっこよすぎてほっぺにキスしたくなったのはここだけの話。 きっと誰もいなかったらキスしてた。 本館の向かい側にある新館の入り口あたりで、ミアと話す。 「渡せて良かったね。にしても赤くなりすぎ~(笑)」 「だってめっちゃ緊張したんだもん…!ミアがいてくれて良かった、うん」 すると、本館からエンドゥーが出てきて、こっちまで聞こえる大きな声で、 「蒼井ーーっ!ありがとうな!グーが入るぜ!」 と言って、開封したマグカップに実際に自分の手をグーにして入れていた。 先生……っ!! そのニカッとした笑顔、反則だよ……! 引きつつあった顔の血が再び上ったのは言うまでもない。
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