11人が本棚に入れています
本棚に追加
その日よりあとから卒業パーティーまでのことはあまり詳しくは覚えていない。
今まで遊べなかった学校の友達と遊んだり、家族で出掛けたり。
そして来たる卒業パーティーの日。
小6受験クラスと中3と先生たちだけで1日かけて行われる盛大などんちゃん騒ぎ。
勿論授業も全部お休み。
私はこの塾のそういうところが好きだ。
けれど、小6受験クラスにとって残念だったことがあった。
あの野川が、受験に失敗してしまった。
女子3人は第一志望に合格し、残りの男子4人も第一志望とは言わないまでも進学先が決まっていた。
しかし、彼は滑り止めにしか受かることが出来ず、だからといってその学校に行くことも嫌で、最終的に高校受験をすることに決めた。
先生たちに顔向けできないと自責を重ね、結局卒業パーティーにも現れなかった。
少なからず私は野川が合格できなかったことがショックだった。
自習室でたびたび一緒に勉強していたし、何より私があんなに残って勉強するようになったキッカケをくれたのは野川の言葉だったし。
11月ごろから野川とミアは両思いになっていて、関係もいい感じだったけれど、野川が落ちた第一志望はミアが受かった第一志望でもあったため、二人の距離も少し開いてしまった。
全員揃わなかったということと、中3が70人以上いる中で小6が7人という圧倒的マイノリティだったということもあり、私たちは心からは楽しめていなかったような気がする。
ごめんね、先生。
最初のコメントを投稿しよう!