9.誕生日と卒業

14/18
前へ
/118ページ
次へ
―――始業式を目前に控えた4月頭。 ミア、ハルナと3人で遊ぶことになった。 場所は駅前のダイエー。 小学生の遊び場なんてせいぜいそんなものだ。 「プリとろーよ!」 「そうだね、『祝合格』的なの撮りたい!」 「じゃあ4階いこ。」 プリを撮り終え、はさみを探したけれど、いつもの場所にない。 「ないねー」 「向こう側のカウンターとかあるかな?」 「とりあえず探してみて、なかったらまた考えよっか」 結局普段よりかなり離れた場所にはさみはあった。 ゲーセンのほんとに端っこの方で、エレベーターホールに面している位置。 そこでプリを3分割しながら、そのあとの話をしていた。 「塾いこーよー」 「かのん本当そればっかり(笑)私行かないよ。」 ハルナは相変わらず断固として勉強以外の目的で塾に行こうとしない。 「いこーよーきっと先生たちもハルナに会いたがってるよ!」 「いやいいから。ミアと行ってきなよ」 「いやーうちも今日はいいかなー(笑)」 「ミアまで!」 「また気が向いたら行くよ」 二人ともあっさりしてんなー…。 塾が好きなのは変わらないけど、愛情表現が違いすぎて…(笑) 「うーわーもういいし一人で行くしー」 「エンドゥーとラブラブしてきなよ。」 「ちょっ、ハルナ…!」 「ねえ!あれエンドゥーじゃない?」 「「えっ」」
/118ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加