2.出会い、そして新年度開講

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そのときの私は、新しく授業を持ってくれる先生を気にするよりも、今までの算数Bと国語の先生の授業を受けずに済むことに対しての喜びで頭がいっぱいだった。 算数Bの先生はタバコ臭いわ、すぐ頭や肩を触るわで、生理的に受け付けない先生だったし、国語の先生はただ単に「仕事をこなすだけ」というオーラ全開な、冷たい先生だったからだ。 そのふたりの先生から解放されるだけで私は満足していた。 新年度担当講師の掲示を私と一緒に見ていたミアとハルナは、私とは別の理由で喜んでいた。 「わー、算数も社会もエンドゥーじゃん!良かったよね、ハルナ!」 「うん。安心した」 ふたりとも、私がこの塾に入った小5の4月から仲良くしてきた友達だ。 そして私よりこの塾の生徒歴は長く、小4から通っていた。 「エンドゥー?」 「遠藤先生のあだ名だよ。授業めっちゃ楽しいの!楽しみにしてなよー」 ミアが嬉々として教えてくれた。 へえ、どんな先生なんだろう。 興味は膨らむばかりだった。
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