8.直前、そして本番

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―――そして迎えた2月1日。 都内私立中学の入試初日であり、私の第一志望の入試初日。 試験には、先生たちからの寄せ書きも、エンドゥーからもらったCDも、大切に持っていった。 生徒ひとりひとりの第一志望校の入り口に、先生たちが立って見送ってくれるのがその塾の伝統だ。 私の第一志望校は、小6受験クラスの中で私しか志望していなかったにもかかわらず、3人もの先生が来てくれた。 西川先生、くにけん、マイティー。 遠藤先生が来ないことは知っていたし、会場に来ないからと言って寂しくなったりもしなかった。 遠藤先生はどこにいたって私の合格を信じてくれていると、今までの接していた時間の中で感じ取っていたから。 私のためだけに朝早く寒い時間なのに、3人も集まってくれたことが嬉しかった。
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