8.直前、そして本番

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学校の入り口に着くなり、私は先生たちを探すことしか頭になかった。 他塾の先生もたくさん来ていて、入り口付近は先生と生徒で少しごった返している。 「あっ、いた!先生たち!」 「蒼井!」 「3人も来てくれたんだね…!そんなに来てくれるなんて思ってなかったよ!ありがとうーー!めっちゃ嬉しい!寒かったでしょ?」 「全然大丈夫だよ。蒼井こそ……いや、大丈夫そうだな(笑)」 にっこり微笑んでくれる3人。 「にしても、いつも通りの格好だなー(笑)」 西川先生が笑う。 「“いつも通り”が一番だからね♪」 私も笑い返す。 「しゅりけん、答案に全力ぶつけておいで」 以前「くにけん」のことを「しゅりけん」と噛んで以来、くにけんにはそう呼ばれていた。 「もっちろん!100%出し尽くしてくるよー!」 「蒼井ちゃんなら絶対受かるって信じてるから!」 マイティーの持ち前のハイテンションは、元気がもらえる。 「うん、信じてて!すぐ合格報告しに行っちゃうからねー!」 3人と握手を交わし、私は会場へ踏み出した。 不安なんて、微塵もなかった。 合宿前の『バイト代』としてもらったシャーペンを握りしめ、今までの成果を全て答案にぶつけた。
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