11人が本棚に入れています
本棚に追加
学校の入り口に着くなり、私は先生たちを探すことしか頭になかった。
他塾の先生もたくさん来ていて、入り口付近は先生と生徒で少しごった返している。
「あっ、いた!先生たち!」
「蒼井!」
「3人も来てくれたんだね…!そんなに来てくれるなんて思ってなかったよ!ありがとうーー!めっちゃ嬉しい!寒かったでしょ?」
「全然大丈夫だよ。蒼井こそ……いや、大丈夫そうだな(笑)」
にっこり微笑んでくれる3人。
「にしても、いつも通りの格好だなー(笑)」
西川先生が笑う。
「“いつも通り”が一番だからね♪」
私も笑い返す。
「しゅりけん、答案に全力ぶつけておいで」
以前「くにけん」のことを「しゅりけん」と噛んで以来、くにけんにはそう呼ばれていた。
「もっちろん!100%出し尽くしてくるよー!」
「蒼井ちゃんなら絶対受かるって信じてるから!」
マイティーの持ち前のハイテンションは、元気がもらえる。
「うん、信じてて!すぐ合格報告しに行っちゃうからねー!」
3人と握手を交わし、私は会場へ踏み出した。
不安なんて、微塵もなかった。
合宿前の『バイト代』としてもらったシャーペンを握りしめ、今までの成果を全て答案にぶつけた。
最初のコメントを投稿しよう!