11人が本棚に入れています
本棚に追加
中学生が帰り、生徒が私だけになる。
「蒼井~~!」
先生が嬉しそうに近づいてきてくれた。
私も先生に走り寄り、
「受かったぁー!」
と満面の笑みを送る。
すると、先生が少し高めに手を挙げてきた。
「!」
私も手を挙げ、少しジャンプして、
「「イェーーーイ!!」」
綺麗にハモり、パンッ!と小気味良い音を立ててハイタッチ。
先生の手は思っていたより大きかった。
「本当にありがとう、先生!先生たちのおかげだよ!」
「いやいや、蒼井の力だよ。俺たちができることなんてほんの少しだからね」
「そんなことないもん!うち、この塾がなかったら絶対合格できなかった。本当に感謝してもしきれないよ」
そう言うと、先生は私の大好きな笑顔を浮かべた。
お母さんも先生にお礼を言って、少し3人で話す。
「西川先生がさ、『蒼井はいつも通りでした』って言ってたから、絶対大丈夫だと思ってたよ」
「そりゃー勿論だよ!」
ちょっと誇らしげに言ってみる。
「だってお前、変に緊張するとツメ甘くなるじゃ~~ん(笑)」
「わーひどーい!(笑)確かにそうだけどさ~~!」
先生がいたずらっぽく笑う。
この笑顔も大好き。
「帰ったらすぐ、先生からもらったアルバム聴くからね!バッチリ聴くからね!」
「あっはは、早く寝ればいいのに~(笑)まぁ、ゆっくり聞いてください(笑)」
「えへへ、じゃあまたねー!」
先生は終始、心の底から喜んでくれている様子だった。
それが嬉しくて仕方なかった。
最初のコメントを投稿しよう!