3日目『ハードな朝に』

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-現在- そうだ。 DVDを手に入れてプリンを買って事務所に戻ったはず…… で、仕事が終わってから事務所でDVDを堪能して家へと向かったはずだ。 それがなぜこんな場所にいる? ぜったいに何かがあったはずだ。 俺が忘れている重要な何かが…… -前日8:00pm松浦探偵事務所- 「そろそろ帰るか!」 DVDを観ながらお気に入りのバーボンを呑み、すっかり気持ちの良くなった俺は事務所を後にした。 事務所までは車で来ているが、飲酒で運転をするわけにはいかず、千鳥足で家へと向かう。 道端にある、おでんの屋台が目に止まった。 「ちょろっと引っ掛けて帰るか」 椅子に座ると、メニューも見ずに注文する。 「酒と大根くれ」 目の前に出された酒に口を付けた時、隣に白い服を来た男が腰をかけた。 その出で立ちに見覚えがある。 「あ……アンタCD屋の……ニーさんだっけ?」 「もうDVDみたかい!? 俺はニーさんじゃなくってプレスリーのプーさんだ。よろしく!」 ニートのニーさんじゃなかった。 プー太郎のプーさんだ。 どっちでも変わりはないが。 プーさんは相変わらずのウザイほどのテンションで話しはじめる。 マズった…… うっかり酔った勢いで話しかけちまった。
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