55人が本棚に入れています
本棚に追加
/187ページ
「何ボーっとしてるんだ? 早く読め」
「パソコンのメールチェックしなくていいの?」
余計な事はほじくり返さなくていいんだよ!
どうせ他の依頼なんか来てねぇよ!
「いいから読め」
そう言われたまさみは、背筋をピンと伸ばして自慢気な笑みを浮かべる。
「これは事件の匂いがプンプンしますよ~?」
なんでお前がドヤ顔なんだ?
「わかったから読んでくれ」
「……。」
「あ……声出さないで読んでた……」
まさかの黙読!?
そんなミスがこの世に存在するとは思わなかったよ!
「おい! 声に出して読んでくれよ!」
まさみは不敵な笑みを浮かべる。
「これは事件の匂いがプンプン……」
「わかったから! そのプンプンする匂いを是非とも俺に伝えてくれ!」
「そんなに焦らなくても依頼は逃げたりしませんよ? まったく仕方ないですね……」
だからなんでお前がドヤ顔なんだよ。
『拝啓、松浦探偵事務所様』
唯一の救いは漢字が人並に読める事だ。
『実は、息子の事を調べていただきたいのです』
最初のコメントを投稿しよう!