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皆が知っている、あの有名なネズミの国で彼氏にネズミの耳をつけている姿が世界一カワイイと褒められ、まさみは一生あの耳を付けて生きていくと約束したらしい。
今や完全にワンダーランドの住人だ。
「なんかノックみたいな音がしてましたよ?」
「……。」
「……?」
「……。」
「……??」
まさみは少し首を傾げてこちらに視線を送ってくる。
いやいや、ノックみたいな音してたんだよね?
俺にもそう聞こえたよ!
なんで無言の最後に不思議そうな顔してんだよ!
「ちょっと玄関見てきてくれないかな……?」
「そうだね! 久しぶりにお客さんかもしれないもんね!」
まさみは目を輝かせてそう応えると、立ち上がって玄関へと向かう。
何閃いたみたいな顔してんだよ!
てか久しぶりとか言わなくていいから!
仕事ないみたいに思われるでしょ!
探偵なんて依頼がこなかったら、もうほぼほぼニートだからね!
だがしかし、それは世の中が平和って証拠でもあるのだ。
それは俺ほどの探偵を必要とする事件が起きてないって事でもある。
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