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「ゲームで決めたら?」
はい?
ゲームで決めたらって……そんなモンで何を決めるってんだ。
「何のゲームじゃい」
ちょっと剛田さん、こんなボンクラの提案に耳貸さなくていいですから。
まさみは人差し指を顎にあて、天井を見上げるようにして考える。
「叩いて被ってジャンケンポン?」
俺を殺す気か!?
ゲームが終わる前に俺の人生おわっちゃうよ!
ジャンケンで勝ったって本職の頭なんかしばけるワケないでしょ!
とはいえ、組長さんがこんなくだらないゲームに付き合うはずはないが。
「まあ、ゲームはそれでいいわい」
いいんかーい!!
組長なんだからちゃんと考えて行動しようよ!
「それはそうと、ワシが勝ったら依頼を引き受けてもらうとして、ワシが負けた場合はどうするんじゃい」
「そうですね……」
そうですねじゃないよ!
勝ったらせめて依頼断らせてよ!
何の為のゲームなんだよ!
まさみは少し考えると、何かを閃いた表情になり、デスクの引き出しの中を漁り始めた。
ちょっと待って。
何か俺、頭の中でツッコミ入れてる間に組長と叩いて被ってジャンケンポンする流れになっちゃってるんですけど。
「あのう、ゲームで依頼を決めるってのは……」
「そちらの条件を呑んでやろうってんだ。今更芋引こうなんてんじゃあるめえな」
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