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「じゃあ猫耳つけて、月に代わってお仕置きよってやってください!」
トドメのハートブレイクショットきたーー!
てかお前完全にスキンヘッドに血管が浮き出てるのを見て連想しただろ!
やべえよ。
……俺もう怖くて剛田さんの顔見れねぇよ。
その時、俺はある事に気付いた。
まさみがウインクして何かの合図を俺に送っている事を。
そうか。
冷静になってみれば、いくらなんでも組長がここまで恥ずかしいマネをするはずがない。
自らゲームを降りさせて諦めてもらう作戦だったのだ。
ネバーランドの住人にしては珍しく頭が働いたほうだ。
よし。
俺は剛田に気付かれないように小さくガッツポーズをして見せると、まさみもそれに同じ動作で応えた。
間違いない。
剛田に目をやると、スキンヘッドの頭を真っ赤にして握り拳を作っている。
流石にやり過ぎな感は否めないが、諦めてさえくれればそれでいい。
「やればいいんだな……?」
剛田は絞り出すような声でそう言うと、充血した目でサングラスの下から睨みあげてきた。
まるで血に濡れたナイフを突き付けられている気分だ。
「え、ちょっと、そこまで無理してゲームなんかやらなくても……」
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