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「メルローズちゃんのためだ。やってやろうじゃねぇか」
剛田は自らを奮い起たせるように、握り拳を更に強く握りしめた。
ちょっと、組長どんだけ猫バカなの!?
誰かこの暴走組長止めてよ!
「やったあ!」
「え?」
まさみの上げた声の意味が分からず、思わず間の抜けた声を出してしまった。
まさみの作戦を読み違えたのか?
それとも、既に何かの形で勝利を手にしているのか?
作戦が理解しきれず、俺はソファーから立ち上がってまさみを台所に連れて行って問いただす。
お互いに意思の疎通が出来ていなければ作戦もクソもないのだ。
「え? だってシュウちゃん、前に私と叩いて被ってジャンケンポンやった時めちゃくちゃ強かったじゃないですか! もう勝ったも同然ですよ!」
まさみは満面の笑みでそう答えた。
……。
なんかもう死にたくなってきた……
一瞬でもコイツを味方だと思ったのが間違いだ。
一番の刺客はコイツだった。
落ち込んだ俺を見て察したのか、まさみは「負けても大丈夫だよ。わたし猫大大大大好きだから手伝うし」と慰めてくれた。
助手なんだからどんな仕事でも手伝うのは当然なんだが……お前のその頭……ネズミの設定どこ行ったんだよ。
なんかもうワケがわからなくなってきた。
てか、ここ俺の事務所のはずなのに、なんかアウェイ感ハンパないんですけど……
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