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「じゃ、またあした。気をつけて帰れよ。」
「ああ。はじめもバスケ頑張れよな。」
軽い別れの挨拶を交わし、俺は帰路につく。
いろいろ考えながら歩いていると、『例の交差点』にたどり着いた。
正直、遠回りして帰りたかったが、なぜか今日は自然と足がここに向かった。
ここに立つと今だ鮮明に頭に映し出されるあの時の記憶。
現実味を帯びた血飛沫の音。
眼に焼き付いて離れてくれないゆうの苦しむ顔。
耳に残るゆうの声。
その記憶の全てが俺の心臓を締め付け、激痛を与える。
まるで自分の無力さを呪っているように。
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