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幸い、この交差点は元々車の通りが少ない。
気付くと俺は、信号が三度目の青を迎えるまで涙を流し続けていた。
(…そろそろ行こうか)
そう思い、いつの間にか座っていた身体を起こし歩き出した。
この場所から俺の家まで15分程度で着く。
家のでかさは大きくも小さくも無い普通の一戸建てだ。
家に帰宅するとまず風呂場へと向かう。
憂鬱な気分を紛らわしたいからだ。
戸を開けるとすでに湯が張ってあった。
母親がいつもより早く帰る俺の為に用意したのだろう。
心の中で母に感謝する。
「最近感謝することが多くなったなぁ。それだけ、気を使わせているんだろうけど……」
湯舟に浸かりふと独り言を呟き目を閉じ力をぬく。
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