準備

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 開店から30分たった……。 火曜日の午前ということもあるせいか、客は来なかった。 「そうだ、渡辺くん。怪我だけはしないようにね」  優しい笑顔と同時に、疲れがかいま見える店長さん。真面目そうな店長が言う言葉には重みを感じた。 聞いただけの話だが、アニメのオリジナルストーリーをファンが描く二次創作。その売り場では死人が出たり、怪我人が出たりが絶えないらしい。 まさか、ここも……? 「店長、ここの店って死人が出たりはしないですよね」 「そうだね……」  か細く呟いた店長の目線の先には、大量の客がこちらに向かって来るのが見えた。 何がそうだね……なんだよ! 俺は、何故か寒気がした。気のせいで済めば良いんだけど。
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