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大きな画面が黒い枠で囲まれて、横にカードがささっているだけの、手の平サイズの機械だ。
なにかの端末だろうか。
画面には『説明を聞く』という文字が表示されている。
タッチしてみると、「ピッ」と電子音が鳴り、説明が始まった。
《ユーザー、家入 海人(エイリ ウミト)。》
という音声が流れたあと、画面に鳥のキャラクターが現れた。
《こんにちは、説明係です。》
こんにちは、今昼なんだね、窓がないからわかんなかったよ。
《僕は一応鳥なんだけど、スズメとかタカとかカラスみたいな、種類は決まってないんだよな。》
そーですか。
《名前は…、どうしよっかな…。》
明るめの声だが、少し生意気にも感じる。
《まあ、鳥だから、『トーリくん』にしよっかな。》
なんか俺とカブるな…。
《…鳥の、トーリくんです。説明係を勤めてます。よろしくお願いします。》
ああ、よろしく。
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