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「レンガ…?」
見渡すかぎりにレンガが敷き詰められた部屋だ。
天井以外はレンガでできていて、部屋のあちこちにレンガの柱や仕切りの壁があり、天井まで届いている。
5の部屋よりは、かなり広いようだ。
誰でもいいから早く会いたいので、とりあえず、右側の壁づたいに歩いてみる。
「植物があったら、良い散歩道になるのにな」
単調な赤茶色の景色に文句を言っていたら、3の扉にたどり着いた。
「……『影』には、会わなかったな」
ずっと部屋の端を歩いてきたからかもしれない。
『影』がどんなものか見ておきたかったが、もしかしたら危険があるかもしれないので、無理はしないでおく。
「みんなを探さないといけないし、他にどんな部屋があるか知りたいしな」
言いながら、3の扉を開ける。
また薄暗い廊下だ。
どうやらここも、廊下で部屋どうしをつないでいるらしい。
ということは、ここは2の部屋と3の部屋の間の廊下か。
………廊下の真ん中に、黒い人影が倒れている。
というより寝ている?
薄暗くて、よく見えない。
もしかして、アレが『影』か?
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