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「なあ、エーリ。あの太陽と俺、どっちのほうが輝いてる?」
「太陽だ」
高校1年の夏休み前の終業式の日。
いつもの男女5人で始発駅から電車に乗る。
田舎だから駅の近くに住んでいる人は少ないのだが、電車の本数も少ないので電車は込み合う。
朝の、特に混雑する時間帯に、いつも通り5人で並んで座る。
俺は家入 海人(えいり うみと)、3組の委員長。
みんなからは『エーリ』って呼ばれている。
現在、5人の真ん中に座ってます。
…えーっと、運がいいのが特長。
5人の端には、背中まである黒髪が特徴的な、1組の委員長、相川 明日奈(あいかわ あすな)が座っている。
とっても真面目なお嬢さんだ。
真面目だから、夏休み前にするべき質問をしてくる。
「ねえ、夏休みどうする?」
朝日の光が、黒髪でキレイに反射する。
その質問に、短髪メガネの、5組の委員長が元気に答える。
「海行こうぜ! 海!!」
声がでかいよ。一応そこ、俺の耳元だから。
「お前は水着の女性が見たいだけだろ」
「おいおいエーリ、水着の女の子見る以外に、海ですることなんてあるのかい?」
近くに立っている乗客が、一瞬こちらを見た。
「……確かに、無いな」
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