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ようやく詰め終わった縁が、こちらを向く。
「で、どうするよ?」
もちろん他の皆を探しに行くに決まっている。
肝心なのは、どこに行くかだ。
この部屋には2の扉と6の扉がある。
6の部屋にも行ってみたいところだが、
「2の部屋に行って、一回5の部屋に戻ろう」
「あ、エーリって5の部屋から来たんだっけ。 でも、どうして2の部屋から? 6の部屋からでもよくないか?」
5の部屋からこの3の部屋に来るまでの経緯は、さっき道具を詰めている時にだいたい話した。
「さっきも言ったように、2の部屋では『影』に会わずにここまで来れただろ? できれば『影』には会いたくないんだ」
影が危険なものと決まったわけじゃないが会いたくないとは思う。
「まあ、『影』ってなんか名前からして敵っぽいもんな。 俺もそいつが怖くて、他の部屋に行かなかったわけだし」
こいつの考え方は、どこか感覚に任せている部分がある気がするが、いつも間違ってはいない。
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