4+1つの扉と影

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「ああ、そうだな…!」 縁はどこか嬉しそうだった。 「珍しいな、縁がこんな真面目な話をするなんて」 「ん? エーリ。もしかしてそれ、どことなくバカにしてる?」 「いやもう、どことなくとかそういうレベルじゃないくらいバカにして………ん?」 その時、視界の隅で何かが動いた気がした。 「…どうしたんだ、エーリ?」 「何か……、居た気がした」 「もしかしたら『影』かも知れないな。立ち止まってる場合じゃなかった。行こう」 二人とも早足で歩きだす。 見たこともない敵から遠ざかるために。 やっと角を曲がった。 あとは直進するだけだった。 ………が、2人の通ろうとしたルートに、黒い人影が待ち構えていた。 『人型の黒いやつ』だ。 どこから見ても陰になっていて、光が当たっているはずの場所にも陰しかない。 空間が人型にくり抜かれ、そこだけ光が通っていない感じだ。 あれは『影』と言う他ないだろう。
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