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「いっちゃん、俺は縛られるのよりも縛る方が好きなんだ」
その俺の言葉に、短髪メガネが嬉しそうに反応する。
「俺は縛られたい派だぜ!!」
そーですか。
今、ほとんどの乗客がこちらを見た。
この騒がしい短髪メガネは大塚 縁(おおつか えにし)。
中学の時、保健体育以外の全ての教科で1桁の点数をとった伝説のある、誇り高き変態だ。
なんで俺たちと同じ高校に通えたんだ、こいつは。
こいつは5組の委員長をやっている。
あと1人、紹介しないとな。
さっきから端っこでずっと寝てるのが結城 朧(ゆうき おぼろ)。
2組の委員長。
頭いいし運動できるし優しいし他にもいろいろあって万能人間だ。
「それは435万6800だよぉ~…」
…寝言だ。
素敵な夢を見ているようだ。
朧は、ちょっとぬけてるところがあるから、親しみやすい。
俺たち5人は全員、クラスの委員長をやっている。
縁の提案だ。
『ちょうど5人とも別々のクラスになったんだから、みんなで委員長やろうぜ!』だそうだ。
明日奈は初めからやるつもりだったらしいが。
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