出会い

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家に着くと、俺は少し浮かれた気持ちを抑えるようにガイダンス資料を広げ、受講する教科を決めることにした。 必修教科を一通り埋めると、ため息をついた。 1年の時は卒業に必要な単位数の事だけを考え、すぐに時間割は決まった。 しかし今回は佐伯香織と出来るだけ同じ教科がいいと、ガイダンス資料には載っていない希望が湧いてきて選択教科がなかなか決まらない。 佐伯香織が受講する教科を知る術もなく途方にくれた。 わかるはずのない答えを探すなんて馬鹿げていると思い、そっと目を閉じた。 今日の佐伯香織の笑顔が浮かんだ。 全部忘れないように、ゆっくりと思い浮かべる。 佐伯香織に話し掛けられた日の事を思い返す。 台詞1つ間違えないように思い返し、俺は目を開けた。 変わり者の教授はもういないのだろうかとふと不安になった。 受講が決まっている必修教科の教授の名前を確認する。 1年の時に教わっている教授ばかりで、1年では単位は全て取得できているので大丈夫だろうと思った。 受講候補の選択教科の教授は、知らない名前ばかりだった。
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