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ほとんどがサークルのブログで、個人ブログでも学年が明らかに違うものや男のものばかりで、佐伯香織のブログらしいものはみつからなかった。
個人情報である大学名を出してブログを書く可能性が低い事に気づきパソコンを閉じた。
佐伯香織の事は何もわからなかったが、当初の目的だった教授達の情報はいくつか手に入れる事ができた。
俺はガイダンス資料と今手に入れた情報を見比べ、出席重視の教授の授業を受講する事にした。
もし佐伯香織と同じ授業を受講できたとしても、佐伯香織が出席しなければ意味が無いと思ったのだ。
時間割を作り終わると、俺はまた目を閉じて佐伯香織の事を考えた。
何かブログの検索でヒットしそうな単語を探した。
何も思いつかず、ため息をついた。
少しずつ欲張りになっていく自分に苦笑いをした。
何かを知りたいとか、何かが欲しいとか、そんな感情が自分にあるなんて思いもしなかった。
叶う事のない願望の存在は自分を不幸にするだけだと言い聞かせ、1つでもいいから同じ選択教科を受講したいと願う事にした。
それが駄目でも必修教科は同じなのだと心の中で繰り返した。
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