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ゴールデンウイークの前日、少し憂鬱になりながら大学に向かった。
明日からしばらく佐伯香織を見ることが出来ないと思うと、自然と気分が落ち込んだ。
少しづつ欲張りになりそうな自分に不安を感じ、名前も知らなかった春休みを思い出してみた。
今の状況で満足だと納得できた頃、教室についた。
1番前の席で佐伯香織が入って来るのを待った。
「明日、楽しみだよ。」
佐伯香織の友達の声が聞こえた。
ゴールデンウイークの予定を話しているらしい。
俺は佐伯香織の声を待った。
しかし、佐伯香織の声は聞こえてこなかった。
佐伯香織の友達が席についても、佐伯香織が教室に来ることはなかった。
俺は不安と緊張で入口を見続けた。
授業の開始時間に、教室に入って来たのは教授だった。
俺が小さくため息をつこうとした時、教授が閉めた入口のドアがそっと開いた。
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