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いくらジャンが砲撃の天才とはいえ、ひとりで全ての砲台を扱うには無理が有りすぎた。
距離を測れるパウロや狙撃の天才ヨシュアも手伝うが、正直応戦するには相手の規模が大きすぎた。
何とか白兵戦に持ち込もうにも、敵の砲撃をかわすだけで精一杯。
剣術の天才ユーリは歯噛みしながら悔しがった。
「畜生! ポルトガルの野郎共、船に近付いたら簡単にスライスしてやるのに!」
「コンナ時ハ、冷静ニ自分ニデキル事ヲ考エテクダサイ。」
イーブン先生が、ユーリに伝令に徹するよう促した。
ジャコモ船長は指示を次々と飛ばす。
その傍らでジョアンは持ち前のセンスで船の梶を取り、必死の形相で砲撃から船を守っていた。
最年少のトマは、恐怖に負けそうになる自分を自分で励ましながら、必死で活路を探し続けた。
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