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ーNOsideー
遼が目を閉じたとき、兎みたいなでかい凶悪な顔の奴――遼に言わせれば化け物の巨大な牙が、遼を襲おうとした。
そうして、あの男が現れた。
「ニードルシャイン」
その呪文とともに、一閃の光が化け物を貫いた。
化け物は大きくうなり声をあげ、やがて死体だけが残った。
「ふぅ……どうなることかと」
体のスッポリ入るほどの大きな白いローブを着た男は、呟いてから倒れている遼の方を見た。
そして少し目を見開いたあと、ポムを見る。
「……お前、何者だ?」
睨むようにポムを見つめる男。
ポムはまるで怖がるようにか細い声で鳴いた。
「お前さっき、そこの奴がファングラビットに襲われかけたとき、こいつに結界張っただろ」
ポムは何も言わない。
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