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「もしこいつに危害を加えるなら、離れてもらおう」
そういうと男は、遼の――否、ポムの方へ近づいてくる。そしてポムに手をかけた――が。
ぎゅうっと強い力で、遼がポムに抱きついたのだ。
「ギュ!?」
……痛すぎて、ポムが変な声をあげるくらい、強く。
「ギュー! キュウウウッ!」
パシパシ叩き痛みを訴えるが、それで更に力強く抱かれた。
「ギュァ――――!!」バコッ
(うわっ、痛そ……)
男は心のなかで遼を憐れみ、そして二人をもう一度見た。
「まあ、危害がないなら……二人共連れて帰るか」
そう呟いた男は小さく「転移」と唱え、未だ苦戦しているポムと遼共々森から消えた。
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