小さな訪問者

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少女を引き込んだのは、細身の老夫、燕尾服を身に纏い、鼻かけの丸眼鏡をかけ、好好爺のような顔付きをしている。 黒い瞳、整えられた白い眉、髭も白く、口髭だけを残して剃られている。髪型は白髪をオールバックにして項あたりで結い、長さは肩まである。 彼女に触れた山賊は吹き飛んだ、でも彼は触れてもなんともない、彼女不思議に思い、問いかけた。 「何故私に触れるの?」 彼は鳩が豆鉄砲を食らったような顔をした後、しゃがみ、彼女と目線を合わせ、問に答えた。 「それはですね?、その魔道具が、持ち主への害意のある接触を阻む効果があるからなんですよ。 見たところ少し前まで妨害されていたようですけどね」 その話を聞いて、彼女は自らの魔道具の効果を知り、強制転移するまで妨害されていたのだろうと考えた。
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