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ふと少女は自分の姿を思い出し、裸足だったことにも気が付いた。
破けた服、垢にまみれた体、髪は脂まみれで絡まりあい、傷が体中にある。
それを悟ったのか老執事が魔法を使う。浄化の魔法で汚れを落とし、治癒の魔法で傷を癒やし、修復の魔法で服を新品同様にした。
それを見て彼女は驚いていた。使われた魔法が全て難易度の高い魔法であり、それを言葉を発することなく使っていたからだ。
彼は何もない所から椅子を出し、彼女に座るよう促す、彼女がおずおずと座ると、何もない所から靴下と靴を出し彼女に履くように促した。
彼女が履き終わると彼は懐から櫛を取り出し、髪をとかしす、魔道具のような効果があるのだろうか、みるみるうちに絡まっていた髪はほどける。
彼女は彼に渡された鏡を見た。ブロンドの天然パーマの髪が腋あたりまである、少し伸びているが懐かしい自分の髪型があった。
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