小さな訪問者

8/13

627人が本棚に入れています
本棚に追加
/60ページ
その質問を受けルドーはまず、魔族は基本、来る者拒まず去る者追わずの精神であることや、ルインには膨大な魔力や特殊な能力が眠っていることを教え、たとえ無くても見捨てる気はないと諭した。 彼女の表情が明るくなる。住んでも良いと言われたようなものだから、しばらくは根無し草だと思っていた彼女には嬉しかったのだろう。 そして、たとえ魔力や能力が無くても見捨てないと言われ、安堵し気が楽になっていた。そんな彼女を彼は微笑ましく見つめ、魔族と勇者のことについて説明した。 彼女は変に否定することなくその話を受け止める。それを見てにこやかだった彼の表情が無表情に変わった。 「まったく、間がいいのか悪いのか。勇者パーティが近付いているようですね」 そう言うと彼は、顔を青くした彼女の周りに結界を張り、認識阻害と防音、幻覚の魔法をかけた。
/60ページ

最初のコメントを投稿しよう!

627人が本棚に入れています
本棚に追加