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ルインが吐き気と格闘していると、
<気持ち悪いのなら、吐いてしまっても構いませんよ>
ルドーの声が響きルインの目の前にバケツが現れる。彼女は少し後込みしていたが、限界なのかそれに遠慮なく吐き出した。
ルドーはそれを優しい眼差しで眺め、ルインが落ち着くのを待ってから話かける。
<貴女に良識があって良かった、勇者も行ったようですね>
そう言った後、胴体が立ち上がり、生首を拾い、くっつける。
「おや?そろそろお別れですね。お迎えが来たようですよ」
彼はバケツと血痕を消しながら、一点を見て言う、彼女が振り返ると、見たこともない魔法陣が現れ光っていた。
魔法陣は一瞬だけ強く光り、中から腰まである黒髪の女性が現れる。ルドーはその女性に会釈し、話をする。
「こちら、シヨンさんといいまして、貴女と同じ元魔盲なんです」
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