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ルインは一瞬目を見開き、シヨンを見る。
「貴女がルインちゃんですね、ルドーさんから話は聞いてますよ」
シヨンはルインに近寄り、彼女の髪を撫でながら微笑んだ。ルインは気まずげな表情をしていたが、すぐに表情が和らぎ、撫でられるままになっている。
「じゃあ、私達はこれで」
シヨンはルインと手を繋ぎ、足元に魔法陣を展開した。
「ええ、頼みますよ」
ルドーは微笑み、2人に向かって手を振り、それを見た2人が手を振り返す。ルインは"私は恵まれてるな"と思いながらシヨンと共に姿を消した。
ルドーは2人が転移するのを見届けると顔を無表情に変え、呟く。
「さて、そろそろ勇者が死んだ頃ですかね」
その声に感情はこもっておらず、聞く人によっては寒さを覚えるものだった。
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