小さな訪問者

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勇者はルドーを切った後、階段を見つけ、仲間と共に城の二階へ駆け上がる。各階くまなく探すが宝箱などは無く、それどころか敵にすら出会わない。 最上階に着いた勇者達は、質素だが大きな両開きの扉の前にいた。その表情は金に目が眩んでおり、自分達の勝利を信じて疑っていない。 「行くよ」 そう言って勇者達は中に入り叫ぶ。 「魔王め!このぼ……」 全てを言う前に言葉が途切れる。実は、入った瞬間に影が動き、喋る途中で勇者達の首を刈り取っていた。 影の正体は魔王であり、つまらなそうな表情で勇者達の死体を消す。 「ふん、自惚れた阿呆めが」 「全く、その通りですね」 魔王が呟くと、それに同意する声が聞こえた。その声の主はルドーであり、魔王は知っていたのか、驚いた素振りを見せない。
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