小さな訪問者

13/13

627人が本棚に入れています
本棚に追加
/60ページ
魔王城にはある法則がある。それは"非戦闘員の老執事を倒せば魔王からの先制攻撃を受ける"と言うものだ。 敗れた勇者は酷い扱いを受けることが多い、魔族達も鬼ではない、だから魔王城は勇者達を試す、合格すれば救済され、不合格であれば命を奪われる。 魔王城に入ると勇者達の行動は各地に中継されるのだが、今回の勇者には失望の声しかなかった。 「最近、勇者の質が悪いですね」 「ああ、近いうちに人は滅ぶのかもな」 ルドーと魔王が言葉を交わす、2人は未来を憂いているような表情をしている。 「それも自然の摂理なのかも知れませんがね」 「救える者は救いたいところだな」 しばらく遠い目をしていたルドーと魔王は、気持ちを切り替え、いつもの日常に戻って行く、まあ、いつもの日常と言っても、自由気ままに過ごすだけなのだが。
/60ページ

最初のコメントを投稿しよう!

627人が本棚に入れています
本棚に追加