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ルドーの顔が苦虫を噛み潰したような顔に変わり、慈しみ哀れむような顔に変わった。
(重度の洗脳勇者ですか、不愉快ですね。たしか今年の魔王は精神系の魔法が苦手だったはず、私がやらねばなりませんか)
ルドーはそう思いながらも体制を変えない、勇者も戦う気なのか、剣を抜いて構えた。ルドーが一瞬で肉薄し、拘束魔法をかけ、洗脳解除の魔法をかけた。
気絶し崩れ落ちる勇者、その勇者をルドーは横抱きにし、使者のもとへ歩み寄り結界を解く。
「もう大丈夫ですよ」
そう言って去ろうとするルドーに、使者が質問を投げかける。
「勇者は殺さなくて良いのかい?」
ただ疑問を告げる使者、その疑問にルドーは困ったように答えた。
「重度の洗脳勇者の洗脳を解くと、なぜだか精神が赤ん坊の頃へ退行してしまうんですよ」
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