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避ける魔王、追う斬撃、勇者は斬撃を増やしながら、魔王に攻撃を与えるべく動き出した。
今度は魔王がジリ貧になる。
(これは勝てん)
そう思いながらも戦うことを止めない魔王。合計4つの斬撃と勇者に嬲られ、その体はじわじわと傷つく。
そして遂に魔王は致命傷を負い、瀕死になった。
安全な場所でモニターを見ていたルインは青ざめた。
(不安が的中した)
その思いながらも周りを見る、魔族や元魔盲などがいるが、青くなっているのは人間だけ。それを不思議に思い、隣で涼しい顔をしているシヨンに聞く。
「なぜ、落ち着いていられるの?」
その言葉にシヨンは目をぱちくり、そして、悪戯げに微笑み、身を屈めてルインに言う。
「それは後のお楽しみ」
そう言ったシヨンを見上げ、ルインはなぜか落ち着き、成り行きを見守ることにした。
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