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(いつになったら正気に戻るんでしょうね)
ルドーはうつ伏せに寝そべり、頬杖をつきながら勇者にデコピンを食らわす。この状態の勇者はほぼ不死身で、どれほど大怪我を負ってもすぐに癒える。
だからルドーは勇者が近づいて来るたびに、デコピンで跳ね飛ばすのだ。
「あれっ?僕はいったい?」
何十回目のデコピンだったか、
(ほぼ不死身でも殺すすべはあります)
しびれを切らしたルドーがそう思い始めた時、ついに勇者が正気に戻った。
ルドーは嬉々として立ち上がる。勇者はキョロキョロと周りを見渡し、ルドーを見つけた。
「あ、あれは魔物!?僕が倒してやる!」
剣を構え、警戒する勇者。ルドーは右手から雷を放つ、勇者はそれを躱しながら肉迫し、ルドーの右腕を切り落とす。
したり顔をする勇者、しかし、ルドーの傷口が泡立ち、新しい腕が生えた。
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