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その男はオールバックにした黒髪を結っており、燕尾服を身に纏う、その容姿は二十代にしか見えない、この姿はルドーの第三形態だ。
ルドーは勇者から奪った剣を眺め呟く。
「まったく、国のバカ共が」
次第にひび割れて行く剣、勇者は唖然としてそれを見つめる。ボロボロと崩れてゆく剣、その中から細剣が姿を現す、なんとなく剣が喜んでいる気がした。
実はこの剣、元々はルドーの持ち物であった。それがとある事情で人の手に渡り、長年行方不明になっていたのだ。
ルドーは剣に魔力を流しながら勇者に言う
「君は、なぜ私が傷を癒せたかを聞きましたね?冥土の土産に教えてあげますよ。この剣の制作者は私ですから対処法を知っていても不思議はないでしょ?」
勇者はそれを聞き、顔を青くして叫ぶ。
「まさか!貴方は歴代最強の勇者!?」
勇者が言い終わると同時にルドーが動き、勇者の心臓を貫いた。
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