最強の勇者

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魔族達が元の暮らしに戻った頃。とある国、薄暗い部屋の中で、ノートとペンを持つ痩せ細った男が歓喜の声を上げていた。 「ついに、ついに完成したぞ!これで勇者なんぞに頼らなくても、魔族の土地は我らの物だ!」 部屋の中には巨大な試験管が多数あり、中には異形の生物が入っている。その中の一つを触りながら男は笑う、その姿は狂人のようだ。 「頼むぞ、愛しの"兵器"達よ」 男は試験管を撫でながら呟く、彼は研究者であり、この研究は国公認のものであるが、今までに、どれだけの犠牲があったのか計り知れず、それを知っているのは極わずかだ。 それが完成したのだと歓声を上げ、王に連絡を入れる、王も喜び、"兵器"の御披露目は後日となった。 彼等は知らない。自らが作り出した"兵器"が何をもたらすかを……。
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