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勇者は絶句する。今まで疑心にかられながらも信じていた国がとんでもない国だったからだ。
「僕の信じてきた正義は、いったい何だったんだ!」
勇者は震え、半狂乱になりながら叫ぶ。ルドーはそれを醒めた目で見つめ、口を開く。
「正義は心の拠り所、正義に正解はありません。貴方は他者の正義を信じるより、己の正義を見つけるべきだったんですよ」
冷静さを取り戻した勇者、ルドーは更に続ける。
「どこの国にも腐った方はいます、正義を私欲に使う輩もいます。これは提案なのですが、貴方方四人はこちらで暮らしませんか?御家族の方は心配いりません、危険な目に合いそうになると、こちらに転移させますから。」
これに対して、勇者達は快諾し、ルドーは案内の念話を送ると、勇者達を転移させた。勇者達のいなくなった部屋でルドーが呟く。
「まあ、すぐに会えますよ」
その言葉を聞いたのは魔王だけであり、意味を知っているのも魔王だけだった。
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