自滅

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ついに今日は"兵器"の御披露目の日、首都の広間に民衆が集められた。自発的に来る者もいれば、嫌々来る者も、広間には舞台が設置され、その上には布を被せられた2メートルほどの大きさの何かがあり、その隣で痩せ細った男性がニヤニヤしている。 特別席には各国の王族が勢揃いしており、近くには国の重鎮がいて、その周囲には兵士がいた。 「さあ皆さん、私の作りあげた最高の"兵器"の紹介を致しましょう」 痩せ細った男はそう言いながら、傍らの布を剥いだ。中から現れたのは巨大な試験管に閉じ込められた、紫色の液体だった。 「この"兵器"は、形状の変化、毒の精製、食らった相手から知識を吸収、さらには分裂することが出来る、優れものなのですよ」 男は喜々として喋る、各国の王は歓声を上げたり、舌打ちをしたりしていた。 「更に、従属の魔法陣を刻んだ板を取り込ませてあるので反抗出来ません」 男はまだ知らない、これが悪夢の始まりだと。
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