自滅

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ついに放たれる"兵器"、その瞬間、"兵器"の中の魔法陣の刻まれた板が徐々に溶け、吸収された。 「そんなバカな!世界屈指の金属だぞ!」 痩せた男が棒立ちで叫ぶ、"兵器"から触手が伸び、男は食われる。その動きが視えた者はおらず、辺りはパニックに陥った。 "兵器"は虫のような足を六本生やし、中央は球体になる、そして縦横無尽に動き回り、逃げ惑う人々を捕食していった。 そんな中、捕食される前に姿を消す人々もいたが、気付く人は皆無に等しかった。王達は兵士や勇者を使って迎撃を試みるも、効果が無く、逆に魔法を撃ち込まれて重傷を負わされる者が現れた。 悪夢は続く、"兵器"が小型の分身をばらまき、更に自身も分裂しているのだ。そして、ついに王達にも触手が伸ばされ、触手が触れる寸前に数人の王が姿を消した。 首都のほとんどを食い尽くし、外へと出て行く"兵器"、ほんの数時間でこの国は無人となった。
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