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蠢く"兵器"達、ルドーはムノプスの首から手を離しながら何かに気が付いた。障壁を張り、涼しい顔で"兵器"の猛攻を防ぎながらルドーは話す。
「貴方、理性がありますね?」
その言葉を受け、"兵器"は攻撃を止めた。
「攻撃の中断は肯定と受け取りますがよろしいですか?」
ルドーがそう言うと、聞き慣れない中性的な声が辺りに響く。
「ああ、そう受け取ってもらって構わない」
その言葉を聞いて微笑むルドー。
「貴方は"兵器"以前に生き物だったのですね。因みに名前はありますか?」
生き物扱いされて彼は少し喜び、ルドーの問いに自嘲気味に返す。
「あると思うか?"兵器"として作られた俺に」
彼の自嘲は気にせずに、ルドーは何かを閃いたような顔で告げる。
「ならば、今名付けましょう、でもその前に、なぜ人を殲滅するような真似をしたのか教えてもらえますか?」
ルドーの言葉に彼は面食らう。
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